『春雪抄』:世界観
あらすじ
今は昔、1910年。
ヨーロッパ・ノルウェーにて待望のプリンセスが誕生した。
その名も《マリ・ローズ》
国王はプリンセスの誕生を大いに喜び、
マリ・ローズの誕生の日を国の祝日に定めるほど。
プリンセス誕生を祝い、隣国をはじめ、多くの国から使者が城を訪れた。
さまざまな贈り物がマリへと贈られ、城は幸せな雰囲気に包まれていた。
_____邪悪な魔女《イーブル》が訪れるまでは。
イーブルが訪れると城の中は騒然となる。
「なんであんな悪い魔女がこんなところにいるのよ……?」
「何かしでかすんじゃないかしら……怖いわ……」
そんな中イーブルは、マリに呪いをかける。
「あなたは18歳で死んでしまうのよ」
城に仕えていた妖精アキーサの魔法でなんとか『死』を免れることができたものの
完全にイーブルの魔法を消し去ることができなかった。
『死』の代わりにマリに課せられたのは『盲目』の運命。
18歳の誕生日に視力を失うことになるのだ。
さらなるイーブルの攻撃を防ぐため、城に使える妖精アキーサ・イローハ・リリーと共に、森の奥で隠れて過ごすことに。
国王の提案で従妹のエリーも共に行くことが決まった。
マリとエリー。その2人は、やがて森の奥で恋を育む。
しかし、マリには逃れられない運命が。
2人の愛の行方は如何に_________。
メインキャラクター設定
マリー・ローズ
生年月日 | 1910年5月25日 |
性別 | 女 |
役職 | プリンセス |
父親 | ホコルーン7世(陛下) |
母親 | ヴェルンズ妃(王妃) |
誕生の背景 | ・母であるヴェルンズ妃が3度の流産を経て授かった子供。 |
性格 | ・森の奥で育てられている理由を「花嫁修業をしないと、マリはお嫁にもらってくれる人がいないから」と聞かされていたため、プリンセスであるにも関わらず自信がない。 ・自分に自信がないために、反対に自信たっぷりの人に惹かれやすい。 ・見た目や容姿を気にするタイプであり、鏡を定期的に見ないと「今の私の顔、変じゃないかな」と不安になってしまう。 |
エリー
生年月日 | 1910年6月17日 |
性別 | 女 |
マリとの関係 | 従妹 |
誕生の背景 | ・マリの母親であるヴェルンズ妃の妹、モード妃の子供として誕生。 |
性格 | ・好奇心旺盛でジッとすることができない性格。そのために城の執事もお手上げ状態だったため、マリと共に森の奥で育てられることに即座に賛成された。 ・人情深く、一度好きになった人のためなら全てを捧げられる。 |
アキーサ
生年月日 | 不明 |
性別 | 女 |
役職 | 城に仕える妖精 |
得意な魔法 | 時間操作 └5年以内の過去の時間を操作することで、未来を変化させる魔法。妖精の中でも使いこなせるのはわずか数名。 |
性格 | ・一見冷たいように見えるが、人情深く、自分を犠牲にしてでも助けなければならない者を助けようとする。 ・城に仕える妖精の中でも一番魔法を操る能力に長けていることに加え、知識も豊富なため、みんなの頭脳的ポジションを担っている。 |
イローハ
生年月日 | 不明 |
性別 | 女 |
役職 | 城に仕える妖精 |
得意な魔法 | ショック(魔力撃) └火や水、雷など全ての属性の単純な魔力撃のパワーに長けている。代りに体力消耗が大きいのがデメリット。 |
性格 | ・後先考えずに行動してしまうタイプであり、それ故に失敗も多い。 ・城に仕える妖精の中では魔力撃のパワーが一番強いため、何か非常事態が起きた際には第一線に居ることが多い。 |
リリー
生年月日 | 不明 |
性別 | 女 |
役職 | 城に仕える妖精 |
得意な魔法 | ヒーリング └体力回復や治癒などに長けている。逆に攻撃力は弱い。 |
性格 | ・姉後肌的な部分が魅力であり、妖精ながらも執事よりもプリンセスの世話に勤しんでいる。 ・ヒーリングの魔法を得意とするため、病気に苦しむ人の元に出向き、治療を行ったりなどもしており、国に表彰されている。 |
イーブル
生年月日 | 不明 |
性別 | 女 |
得意な魔法 | ・呪い └憎悪の気持ちにより強さが異なる。一度かけた呪いは、イーブル以外が解除することは不可能に近い。 └この呪いは時間操作が可能で、最大100年後まで呪いの解放日を引き延ばすことが可能である。 └呪いが発動する日はイーブルが自由に決められる。 ・人の心を読む └触れた人の考えていることが手に取るように分かる。分かりたいと思っていないときでも触れるだけで発動してしまう。 |
性格 | ・本来は『愛情』を大事にした比較的優しい性格の持ち主だったが、人の心を読む魔法のせいで徐々に精神を病み、憎悪にまみれた性格へと変化してしまう。 ・人間は他者を傷つける生き物なので、自分が傷つけられる前に傷つけなければと考えている。 |
陛下との関係 | ・まだイーブルが心優しい性格であった頃、森の奥で出会い、禁断の恋に落ちていた。 ・イーブルは魔女であることを隠し、また男も自らの身分を隠して関係を続けていた。 ・イーブルは魔女であるため、普通の人間との間に子供を授かることはできない。 ・ある日、男に対して『人の心を読む魔法』を使ったところ、『男が国の王子であること』『子供を授かれないならイーブルと別れよう考えていること』が分かる。 ・イーブルはそのことで心を病み、陛下はその病みを受け入れられずに別れることとなる。 ・イーブルは「自分は捨てられたのだ」と傷を引きずり、陛下への憎悪を増幅させていく。 |
用語辞典
失明の定め | ・イーブルがかけた魔法をアキーサの時間操作によってねじ伏せた結果生じた現象。 ・イーブルの魔法が強力過ぎたために生じた現象であり、長い魔法史の中でも稀有な現象である。 ・失明自体は外部的要因ではなく、内部から目を構成する細胞を呪いが潰すことで生じる。 ・そのため、失明はしても外部的な変化はなく、失明状態にあることが分からない。 |
手紙 | ・連絡手段の発達していないこの時代では手紙で何かを伝えるのが主流であった。 ・とある恋愛小説の影響で、若者の間では愛を伝える『ラブレター』が流行っていた。 |
鳥 | ・イーブルが陛下に捨てられた朝、家の前でケガをして泣いていたカラスの雛が成長したもの。 ・鳴き声が不気味。 |
エリーの小屋 | ・とにかくのこぎりを使って何かを作りたいという希望から作り始めたもの。 ・特別小屋に置くものもなく、使い道のないものである。 |
縁談 | ・王家存続のために、適切な婚約相手を選ばれるもの。 ・この時代は基本的に20歳までに縁談を済ませ、婚約を結ぶのが常識である。 |
イバラ | ・イーブルの憎悪が最大値に達し、ドラゴンへと姿を変える時に発生するもの。 ・地面から直接生えてくる。 ・全長は大きなものでは6mほどまでにもなる。 ・イバラの棘はかなり鋭利であり、非常に危ない。 |
春の雪 | ・暖かくなった3月に降る雪のこと。 ・『淡雪』『斑雪』『雪の果』などさまざまな種類があるが、この物語で降った雪は『雪の果』に属する。 |